賀茂神社社殿修復奉賛のお願い

賀茂神社社殿修復についてのお願い―本殿・両脇社・大鳥居―
拝啓 早春の候、貴家皆様には、益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は、賀茂神社に対しまして、格別のご理解、ご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
さて、京都・賀茂下上両社ゆかりの当賀茂神社は、養老元年(七一七)、この地、福井市大森町に鎮座されて以来、千三百年もの長きにわたり「志津の庄」および近隣地区の総社として崇められ、幾多の苦難を乗り越えながら、大切に守り受け継がれて参りました。特に、四年に一度奉納される「睦月神事」は、国の重要無形文化財に指定されており、古来の伝統芸能・文化を今に伝えております。
ところで、賀茂の杜の神域にあって、歴史的建造物でもある諸社殿―本殿・両脇社(祇園社、白山社)・大鳥居は、長年の風雪に耐えながらも、近年とみに雨漏りや虫食い、かび等による劣化が進み、専門家による調査によっても、このままでの保持は極めて困難であり、早急に修復すべきとの指摘を受けております。
そこで、関係地区代表の皆様方とも協議のうえ、この際、皆様、さらに文化財行政ご当局のご理解、ご協力もいただきながら、これら社殿の抜本的な修復工事を実施し、改めて、ふるさとの貴重な文化財として後世に引き継ぐことと致しました。
つきましては、時節柄、非常に多端な折であり、誠に恐縮ではございますが、何卒これら事情をご覧察頂き、皆様方の尊いご芳志をご奉賛賜りますよう、伏してお願い申し上げる次第でございます。  謹白   平成二十九年三月吉日